日本のキャッシュレス化の事情

街で居酒屋などへ行くと、割り勘という風習が強い日本。そんな中で、未だに、キャッシュレス化を使用する場面は多いのだろうか?

「キャッシュレス化」の事情について考えてみます。

 

 

【治安】

元々、アメリカ型のカードを使用する風習の強いところ、そして現金派の日本の違い。少し紐(ひも)解くと、治安問題が大きな影響を及ぼしていると考えた。

安全な日本では、現金を所持していても強盗などのような被害は、世界的に少ない部類。逆に、他民族国家であるアメリカは、地域によりスラム街のような貧困層の目立つところもある。

そこで、現金を奪われないために「小切手」が利用される。小切手は、現在でいうとデビットカードに近く、銀行口座に有する金額しか利用できない。これは、大金を持ち歩く時のようなケースにおいては安全だ。

それ以外には、紙幣そのものを偽造されにくい、など、安全性の問題も強い。

 

【小切手からカード】

今日でも利用することがある小切手だが、それがカードへと時代と伴に変化していく。信販会社と銀行との違いはあるが、似ていて、利用しやすいため普及している。

このカードがキャッシュレス化に大きく関わっているのは、誰が見ても分るが、「治安の良い日本」では、現金を奪われるリスクが少ないために、カードではなく現金を所持している方も多い。

 

【安全性】

カードも磁気型・ICチップ型・指紋認証型と、多数ある。金融機関により異なるが、3万~1000万とカードのセキュリティの質で限度額が変わっている。

安全性を考えてみると、一見、現金は無用心に思えるが、被害届のような統計では、カードも引けを取らないだろう。

 

【普及】

そもそも紙幣を所持して、日本国内で困るケースは少ない。逆にカードの場合は、提供先の店舗による手数料や機器代金などが増えるため、デメリットも強い。一番の理由は、国が率先して、キャッシュレス化の事業を立ち上げておらず、各社の生存競争の最中だといえる点だろう。

ただ、交通機関のパスモのような部類は、かなり普及しているように思える。

 

【深く、考えてみる】

カードやキャッシュレス化のように、物理的ではなく、ソフトウェア的な処理をする場合は、円滑に作業が進むことにより、スピードが桁違いに速い。つまり、演算処理だけの作業で、流通が進む。これは大きなメリットであると思う。

逆に、カード会社や銀行のような「通過点」を経由することになるので、どこかで必ず「手数料が発生」すること。また、受け取る側の決済方法が異なり、時差が生まれるため、現金よりも遅い。

ただ、交通機関のJR系列においては、手数料分よりも、ソフト的な処理の有利さから、キャッシュレス化の方が安いコスト設定になっている。

しかし、カードも含めて、IT系のデータは肥大していくので、その管理については、いずれコストに跳ね返ると考える。サーバー代もITエンジニアも無料のボランティアではない。

 

また、紙幣や貨幣の流通量を考えると、その「物理的な量は、変えられない」と考える。つまり、紙幣を作るコストは、それほど減少しないだろうと思う。

日常において、低額の3万円程度なら、事前登録なしにキャッシュレス化しても良いように思うが、マネーロンダリングや不正献金のような悪用があるので、無記名での使用は難しい。当然、現金の流れの透明性も必要となる。

とはいえ、現実的には、web Money(ウェブマネー)のようなコンビニで購入して決済できる方法もあるので微妙なところでしょう。

 

結論としては、原始的ではあるが「小切手」の普及が安全や利便性において、ベストに思えました。基本的には、「支払い条件の合意」があれば、どこでも利用可能です。

 

 

2019.5.14

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