ソフトバンク上場とファーウェイ(Huawei)
【ソフトバンク】
2018年12月中旬に携帯電話大手ソフトバンクは、東京証券取引所に上場する際の株式価格が1株あたり1500円といわれていた。そこで過去のソフトバンクグループの売上高をみてみます。
【2017年度売上高(ソフトバンク)】
スプリント 36,020(39%)
ヤフー 8,844(9.6%)
国内通信サービス 32,298(35%)
その他 14,426(15%)
計 91,588(100%)
(単位 億円 / 占める割合%)
【ソフトバンク株の関連】
- ソフトバンクグループ(9984)— 東証1部 ソフトバンクの親会社
- ソフトバンク・テクノロジー(4726)— 東証1部 システム開発、保守等が中心事業
- ヤフー(4689)— 東証1部 ポータルサイト「Yahoo! Japan」を運営
- アイティメディア(2148)— 東証マザーズ ITニュースサイトを運営。広告収入が主な利益を出している。
【見通し】
ソフトバンクは、これまで大型買収を繰り返し、負債が約16兆億円といわれていることから、今回の株式上場での調達資金は負債の削減に当てられる割合も多いとされる。そのため新規設備投資等に使われる資金が、「今回調達した時価総額2兆6千億円といわれる全てが投じられるものではない」と考えられます。
【国内通信サービス】
2017年度の売り上げの35%を占める「国内通信サービス」において、次世代の通信網5Gを投入を考えていきたいと思います。
スマートフォンや携帯電話には「無線基地局」という通過するための電話局があり、そこでパケット交換機や電話交換機(アナログ)が利用されます。
地域にあるアンテナで電波を受信して、光ファイバーや旧電話線にて、その基地局へ繋がる。
その基地局で通信網(2G,3G,4G)を利用するために、パケット変換機には、それぞれメーカー(ベンダー)が競い合う。
主に分けると「国内」「北欧」「アジア」の企業となり、国内では富士通・NEC、北欧はエリクソン、ノキアで、アジアにはサムソン、ファーウェイ、ZTEとある。
【基地局の占める割合(国内)】
国内 ベンダ(36.4%)
北欧 ベンダ(30.9%)
アジア ベンダ(32.8%)
推測として、NTTドコモは旧来からの取引相手である結び付きから、国内のNECや富士通の基地局製品を用いることが多いと思われます。また、新規参入のベンチャー系のソフトバンクは、設備投資のコスト面でアジアベンダーを比較的多く含むと考えられます。
【ファーウェイ(Huawei)】
2018年12月中旬にニュース等に取り上げられているファーウェイですが、この無線通信網の基地局にも関連しています。スマートフォンという端末を製造しているだけではなく、通信業全般に力を入れている企業です。
【過去の問題】
よくアジア型の新規参入組みの企業で指摘されているのが、リバースエンジニアという手法を用いて、解体した部品から同じ製品を作り出すことや通信機器に企業に有利なチップやソフトウェアを埋め込んで情報を得ることがあったとされる。
1つ目にあるのが自由競争にある課題で、2つ目は政治的な問題も絡んできます。
政治的な課題として「アメリカvs中国」というものや、それに関連した日本の国益に発展してきます。
ここで疑いがあるかどうか定かではありませんが、ファーウェイ排除の動きが受け取れます。
【ソフトバンク今後】
株式を上場し、時価総額2兆6千億円を確保したソフトバンクですが、私の見込みでは、来年度以降に「無線基地局」の見直し等でコストが掛かると思われます。
今後の法的な処置や変更において左右される事態ですが、アジアベンダーの基地局製品が使用不可となると入れ替えなければなりません。それは法的変更や総務省のガイドライン等で変化します。
つまり、ソフトバンクが現在利用している「国内通信サービス」の中で、無線基地局関連のファーウェイ製を替えなければならなくなると、株価の変動にも影響されそうです。ただし、ソフトバンクは国内有数の3大キャリアなので一時的な波が来る範囲に留まるでしょう。
【その他】
ちなみに、情報漏えい等の問題に関して考えてみる。
新品のスマートフォンを販売し検査をして流通をさせる(検品通過)
その後「一部端末にタッチパネルの不具合が報告された為ファームウェアの変更をします」等と発表し、ソフトウェア面で情報を抜き、再度ファームの更新を促すことで見えなくすることが可能に思える。
また、スマートフォン端末には何も無くても、情報の通過する基地局でのメンテナンスにおいて、その企業はデータを受け取ることができる。
この辺になってくると情報セキュリティーの内容になって、自由競争や政治問題でなく技術面の課題となりそうです。
2018.12.12